カナダ在住研究者のつぶやき

バンクーバー在住の研究者が、個人的に関心の高いエネルギー・環境問題や、趣味のトレイル・食べ歩き・酒についてつぶやく予定

2019年のバイオ燃料に関するニュースまとめ!Top 19 of 2019 BiofuelsDigest

 

常に新しいニュースを知っておきたいので、

いくつかのウェブサイトに登録し、メールマガジンを受け取っています。

バイオ燃料関連については、BiofuelsDigestがオススメです。

 

無料で登録でき、毎日世界中の最新のニュースが送られて来ます。

そんなBiofuelsDigestの2019年のTop 19ニュースがまとめられていたので、

シェアしたいと思います。

 

19件もあるので、一つ一つは簡潔にまとめますので、

詳細は各記事をご覧ください。

 

 

1.$73 Million, 35 Projects, who won, for what and why: The DOE Bioenergy Technologies Office 2019 Project Selections

アメリカ・エネルギー省は一年で、バイオ燃料に関わるプロジェクト35件、計7300万ドルの助成金を交付した。これらの助成金が、ドロップインバイオ燃料およびバイオ発電の価格低下、バイオマスや廃棄物からの高付加価値物質の生成を可能にした。

 

2.The 50 Hottest Companies in the Advanced Bioeconomy 2019

バイオエコノミー分野の重要な企業50が選出。毎年選出されているので、今年も楽しみですね。ちなみに日本の企業は残念なことに一件も選ばれていません。

 

3.Biofuels Mandates Around the World 2019

年始に世界65カ国におけるバイオ燃料の任務・ターゲットの批評を出しており、毎年人気の記事。今年も記事が出たら、日本語でまとめたいと思います。

 

4.The Advanced Bioeconomy: State of the Industry 2019?

ワシントンで開催された国際会議ABLC 2019で発表された、バイオエコノミーの総説に関するスライド。輸送の脱炭素化について、バイオエコノミーの観点からのみで議論することに取り組んだ。

 

5.Advanced Biofuels – Where are the Gallons?

先端バイオ燃料とは何か、なぜ必要なのかについて解説。世界中の30以上のプロジェクトを紹介し、エタノールのブレンド比や残渣の容量などについて解説。

 

6.Decision 2020 Bioeconomy – 25 declared presidential candidates and how they stand on the bioeconomy

バイオエコノミーは2019年の重要な話題であったが、2020年のアメリカ大統領選でどのように取り上げられているのか。候補者達のバイオエコノミーに対する立場、発言、強み、信頼性などについてまとめている。

 

7.The NEXT 50 Companies to Disrupt the World

バイオエコノミーに取り組んでいる企業50社を紹介。特に、燃料、化学物質、食料、穀物生産、動物飼料、合成微生物など。13社が化学・マテリアル系、9社が穀物生産、保護、8社が食料や飼料、7社が合成微生物、2社がエンジン関連の企業。日本の会社は選ばれていません。

 

8.The Advanced Bioeconomy: New Fortunes 2019

バイオエコノミーについて、近い将来期待されている24のマーケットを紹介。

 

9.The Top 25 Trends in the Bioeconomy

アメリカ及び世界のバイオエコノミーのトレンドについて、11月のABLC Weekで紹介されたスライド。テクノロジーやマーケットなどについて紹介されている。

 

10.Don’t Mess with my Toot Toot: The Zydeco of Xyleco

私は存じないのですが、35年前の曲"Don't mess with my toot toot"という曲をもじったタイトルで、マサチューセッツの化学会社Xylecoの取り組みについて紹介。

 

11.Top 10 Bioeconomy Markets and Predictions for 2019

年始に発表された、2019年のバイオエコノミーのマーケット予測に関する記事。私もそうですが、みなさん予測記事は好きみたいですね。

 

12.Marine biodegradable plastics offer hope for oceans and waterways

2019年夏にフロリダ沖で赤潮警報が発令され、海洋汚染が注目されましたが、世界中の海で問題となっています。数百万もの魚達が死んでいる様子を思い描くことは出来ないが、最新技術を用いて現状の課題を解決できるよう取り組む必要がある。こちらは2018年の記事ですが、今年もかなり読まれたようです。最近はマイクロプラスチック問題も注目されていますし、今後も話題となりそうです。

 

13.The Values Chain: An inquiry into how we create and capture value when we innovate

ベンチャー企業の資本家や、技術の先駆者から、健康、栄養、農業、バイオテクノロジー、イノベーションの未来についてよく尋ねられる著者(Jim Lane氏)が、イノベーションにどのように価値を高めるか(Values-chain)についてまとめた内容。わかりやすくて見やすい内容になっています。

 

14.The Digest’s Top 10 Celluosic Project flashpoints, 10 Quick Takes

植物細胞壁の約半分は多糖類であるセルロースから構成されており、セルロース由来の糖は世界で最も豊富な資源である。たいていの地理条件で、木質系バイオマスが最も効率良い糖資源である。そこで、セルロースを原料とした10のプロジェクトについて紹介している。

 

15.The Compelling Case for Biojet Fuel

Lee Enterprises Consulting社のJess Hewitt氏とJonathan Lewis氏が、バイオジェット燃料について紹介した内容。バイオジェット燃料のテスト飛行などのニュースが頻繁に登場するが、多くの航空会社ではまだ実用化されていない。それは何故か。バイオジェット燃料のマーケットの現状を報告した内容。

 

16.Brazil’s GranBio Acquires USA’s American Process

ブラジルのGranBio社がアメリカのAmerican Process社を買収した記事。同社の知的財産や物的資産を得ることで、GranBio社のバイオマスから再生可能燃料、化学物質、ナノセルロースへの変換技術が飛躍的に向上するとみられる。

 

17.Catalysts and Enzymes in Biofuel Production

Lee Enterprises Consulting, Inc.社のElizabeth E. Hood博士とLorenz Bauer博士が、バイオ燃料生産に向けた触媒や酵素について解説している記事。具体的には、バイオディーゼルやセルロース系エタノール、酵素のコスト、多機能触媒などを解説。 

 

18.U.S. Army gets super strong spider silk bulletproof panels

アメリカの軍隊で使用されている防弾パネルに関する興味深い記事。Kraig Biocraft Laboratories社で作られたスパイダーシルク由来のパネルは、鉄より強く、従来の防弾パネルより強いとのこと。スパイダーマンの映画のように、Kraig社は遺伝子工学を用い、クモの遺伝子を導入した蚕に、強力なシルクを作らせることに成功した。

 

19.The DOE’s 12 Top Biobased Molecules – what became of them?

 2015年の古い記事だが、いまだに人気の記事。Cargill社がOPX Bio社の発酵ベースの技術を買収したニュースから、今話題のバイオベース分子について紹介。4炭素の2酸化合物、2,5-フランジカルボン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、グルカル酸、グリセロール、アスパラギン酸、イタコン酸、3-ヒドロキシブチロアセトン、ソルビトール、キシリトール・アラビニトール、グルタミン酸、レブリン酸が挙げられている。

 

 

意外とバイオエコノミー関連やトレンド推測の記事が人気ですね。

単純にアクセス数でランキングされているようで、

中にはそこまで面白くない記事もありましたが、

勉強にはなりました。

エコノミー以外にも、セルロース系エタノールやバイオ燃料、

バイオジェット燃料などの最新動向についても学ぶことができるので、

ぜひ興味ある記事をご覧ください。

 

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