カナダ在住研究者のつぶやき

バンクーバー在住の研究者が、個人的に関心の高いエネルギー・環境問題や、趣味のトレイル・食べ歩き・酒についてつぶやく予定

カナダ・UBCでのポスドク(博士研究員)生活

 

海外でのポスドク生活はどんな感じなのか。

今回はUBCでのポスドク生活について簡単に紹介したいと思います。

 

一応ポスドクのことを知らない人のために

ポスドク:博士号(ドクター)取得後に任期制の職に就いている研究者、博士研究員とも呼ばれます。教員になると教育や事務仕事に割く時間が増えるため、研究にどっぷり浸かることができ、研究業績を増やすことが出来ます。一方で、最近は高齢者のポスドク、いわゆる高齢ポスドク問題が頻繁にメディアで見かけられます。

 

ポスドクの人数も多いUBCにはポスドクのコミュニティがあります。

その名も、Postdoctoral fellows office(PDFO)

 

ホームページのリンクも貼っておきますね。

https://www.postdocs.ubc.ca/

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Orientation

まず初めにPDFOを知るきっかけがオリエンテーションです。

年に数回、新しく入ってきたポスドクのために、ポスドク生活に必要な情報(例えば、相談窓口や、保険、税金関係、キャリアパスや各種セミナーの案内)などを1時間以上かけて説明してくれます。

私が参加した時は、全部で30名ほど参加していたと思います。

ちなみにそこで仲良くなった友人はそれ以降もずっと仲良くさせていただいたので、ポスドク仲間を作る良いきっかけにもなります。

PDFOグッズやキャンパス内で使えるクーポンなんかも貰えました。

 

Workshop and seminar 

各種ワークショップやセミナーも定期的に開催されています。

例えば今月開催されるものでは、

Discovering the entrepreneur within:起業に向けたセミナー

Immigration Clinics for Postdoctoral Fellows:移民に関する相談室

Fostering research collaborations at the Graduate and Postgraduate levels:研究交流の促進についてのセミナー

How to Keep Your Cash - An Introduction to Canadian Taxes:税金に関する説明会

Skills of Communication:コミュニケーションスキルに関するセミナー

など、結構頻繁に開催されています。あまり参加したことはありませんが。。

 

Carrier opportunities

HP上で、UBCでポスドクになるための資格や方法に関する情報や、UBCで現在募集しているポスドク公募情報、さらに、Online career resourcesという他大学も含めたポスドク公募情報に関しても紹介されています。わかりやすく、親切ですね。

 

Awards and funding

日本における日本学術振興会の特別研究員制度のように、カナダのポスドク支援制度がいくつかあります(Banting Postdoctoral Fellowships Program、Killam Postdoctoral Fellow Research Prize、Killam Postdoctoral Research Fellowship)。その申請に関する情報もHP上で得ることが出来ます。

他にもPDFOが主催の、Travel awardもあり、国内学会で500ドル、国外で1000ドルほど旅費を出してもらえます。提出書類が少し面倒ですが、学会に参加予定でしたら申請する価値ありです。

 

Postdoc researcher day 

他にも年一回、Postdoc researcher dayというのがあり、UBC中の異分野のポスドクが一斉に集まり、口頭発表とポスター発表を行います。参加費は無料で、ビールやピザも無料だし、ちょっと顔を出すだけでもいいし、ポスドクのネットワークを広げる意味でも有意義なイベントですよ。

 

 

ざっと私が知る限りの情報を紹介しました。

日本ではポスドクの人数自体もそこまで多くなく、このようなコミュニティはないかと思います(無知なだけでもしかしたら他大学ならあるのかも知れません・・・)

特に初めに来た時、オリエンテーションで様々な説明があったのは、とても助かりました。将来カナダ、特にUBCでポスドクする、もしくはしたい方には、PDFOの存在を知ってもらいたいし、この情報が役立つと嬉しいです。