カナダ・BC州の森林・樹木に関する興味深い５つのこと
バンクーバーに住んでいる方ならお分かりかと思いますが、
街路樹の大きさが半端なく高いです
そこら辺に生えている木が10ｍ以上、
日本の木とは幹の太さが違いますね
自然に囲まれた街、バンクーバーがある
ブリティッシュコロンビア（BC）州は
林業が主要産業の一つです
今日の記事では、BC州の森林・樹木について、
面白いと感じたことを５つ
紹介したいと思います。
１．広大な面積を誇る針葉樹林
BC州の面積は約90万km2で、
そのうち約55万km2が林地にあたります。
日本全体の面積が38万km2なので、約1.5倍ですね。
スケールが違いすぎる。。。
ちなみにBC州の森林の83％が針葉樹で、
スプルース（トウヒ）、ロッジポールパイン（マツ）、
ヘムロック、トルーファー（モミ）、
ダグラスファー が主な樹種です。
ちなみに太平洋沿岸の温帯雨林は
ヘムロック、レッドシダー（赤杉）、ダグラスファー
の割合が多く、
内陸部の乾燥した寒冷部は
SPF（スプルース、パイン、ファー）
から構成されています。
２．BC州の主要な産業
豊富な森林資源を有するBC州において、
林業は重要な産業の一つであり、
2016年度の発表では、
林業ならびに関連する仕事が14万以上あり、
BC州の北部や内陸部の地域では、
全仕事の20％を占めている地域もあります。
さらに、先住民（ネイティブインディアン）
の方の雇用先にもなっていますね。
ちなみに、日本は紙・パルプやチップの主要取引先で
（近年は中国に次ぐ二番目）
かなりお世話になってますね
３．文化と密接に繋がっている森林・樹木
UBCには森林学部（Faculty of Forestry）があります
日本には森林学部はなく、
あくまで農学部に森林系学科があるだけなので、
如何に森林がBC州において
重要な役割を担っていることが伺えます。
さらに、バンクーバーの通りの名前に注目しても、
あちこちに樹種の名前が用いられています。
Elm（ニレ）、Larch（カラマツ）、Balsam（バルサムモミ）
Cypress（ヒノキ）、Yew（イチイ）、Arbutus（イチゴノキ）
Vine（ブドウ）、Oak（オーク）、Willow（ヤナギ）など
Arbutus通りあたりの南北の通りは、だいたい木の名前ですね
樹木が人々の生活に密接に関与していることがわかります
４．先住民と林業・樹木の繋がり
BC州には様々な先住民がいます。
その種類は200以上といわれており、
独自の習慣や文化、言語を持っています。
この地域の先住民といえば、
トーテムポールが有名ですね。
空港やスタンレーパーク、UBCでも見ることができます。
このトーテムポール、
レッドシダー（赤杉）から作られています。
レッドシダーは50ｍ以上の高さも珍しくないため、
一本杉から彫刻し、巨大なトーテムポールが
生み出されるのですね。
間近で見ると迫力があります。
また、上述のように、
林業は先住民にとっての重要な雇用先であり、
BC州における先住民の人口の割合は5%以下であるのに対し、
林業もしくは関連する仕事の約9％を
先住民が占めています。
５．持続可能な森林
森林の持続可能性は重要な指標で、
第三者による森林認証制度が積極的に普及しています。
（第三者機関が環境・経済・社会の側面から、適切な森林経営が行われている森林または経営組織などを認証する制度）
BC州は主に、カナダ規格協会（CSA）、森林管理協議会（FSC）、
持続可能な森林イニシアチブ（SFI）
の三種の認証制度が採用されており、
2018年の時点で約50万km2と大部分の森林が
いずれかの認証制度を取得しています。
中でもFSC制度は、日本でもよく紙パッケージ等で見るかと思います。
ちなみに2010年のバンクーバーオリンピックの際、
選手村やオリンピック村の建設には
FSC認証木材が用いられたそうです。
森林認証の世界的リーダーとして
積極的に取り組む姿勢が感じられます。
最後に
ふと興味を持って調べてみたら、
興味深いことが色々と出て来たので、まとめてみました。
日本も国土の67％が森林に覆われている
森林大国ですが、
カナダはそれ以上に森林と
密接に繋がっているように感じます。
ちなみにUBC内に世界で一番高い
木造建築物（Brock commons）があります。
１８階建ての学生寮で約400人の生徒が住んでいるみたいです
UBCに来たら是非みてみてください。
（参考資料）
・British Columbia’s Forest Industry and the Regional Economies (2019)
・https://www2.gov.bc.ca/gov/content/home
