【ただの棒!?】羽根のない風力発電
化石資源の枯渇や、気候変動問題といった喫緊の課題に対し、二酸化炭素排出量の削減が求められる中、再生可能エネルギーへの期待が益々高まっています。
昔に比べてかなりヨーロッパや北米では、再生可能エネルギーが占める割合が急速に増加しています。以前記事(【グリーン都市・バンクーバー】2050年までに再エネ100%)にしましたが、バンクーバーは2050年までに100%のエネルギーを再生可能エネルギー由来にすることを2015年に宣言しており、更には世界有数の工業国であるドイツでも、2050年までに消費電力の80%を再生可能エネルギーで賄うという非常にチャレンジングで先駆的な取り組みを行っています。
さて、再生可能エネルギーといえば、どんなエネルギーを想像するでしょうか。
太陽光、風力、バイオマス、潮力、地熱など様々な形態がありますね。
カナダの場合は、豊富な水資源を生かした水力電力が発電電力源の大部分を占めております。日本の場合も、再生可能エネルギーの中では水力の割合が比較的高く、続いてFIT(固定価格買取制度)の導入によって急速に広まった太陽光発電が普及しています。最近ではソーラーパネルを見かけることも珍しくなくなりましたね。
一方、再生可能エネルギーの先進国、ドイツでは風力発電の割合が急増しており、特に風力が強く、場所も豊富に存在する洋上での風力発電の普及に政府が取り組んでいます。
今回の記事で紹介したいのは、その風力発電。といっても、丘の上でよく見かける風車ではなく、羽根のない風力発電!
スペインのVortex Bladeless社によって開発されたこの風力発電、とても面白いですね。
(写真はVortex社のホームページより引用)
従来の風力発電と発電システムが大きく異なり、垂直で細長い円筒の中には、新規の発電システムが搭載されており、上部の振動をエネルギーに変換する仕組み。
風力発電と表現しますが、従来の風力発電では達成が困難であった、家庭用などの小型の風力発電システムとしての普及を目指しているようですね。
今年度中には商品化に向けて動いているとのことで、従来の風力発電の課題であった、メンテナンス、償却、騒音、鳥や環境への影響といった問題を解決できる新たな形の再生可能エネルギーとして、大いに期待できますね。