Nature誌が選ぶ2019年の重要人物10名
年末になると毎年Nature誌が、
今年の科学に影響を及ぼした人物10名を選びます。
昨年は日本からJAXAの天文学者、吉川真さんが選ばれましたね。
今年も先日発表されましたね。
今年選ばれた方々はどんな方で、どんな内容が評価されたのでしょうか。
ちなみに、日本語版のハイライトもあります!
1.物理学者Ricardo Galvão博士:
【Science difender】
アマゾン川流域での森林伐採急増の実態について自国の大統領を批判して国立宇宙研究所の所長を解任された。利益優先の大統領に自らの地位を捨ててまで立ち向かう姿勢が、印象的ですね。
2.天体物理学者Victoria Kaspi博士:
【Sky sleuth】
カナダMcGill大学教授で、カナダの電波望遠鏡(CHIME:水素強度マッピング装置付き)に高速電波バースト(FRB)の最も優れたデータを収集する機能の付与に大きく寄与した。
3.神経科学者Nenad Sestan博士:
【Brain rebooter】
イェール大学医学部教授で、数時間前に死んだブタの脳を生き返らせて生と死の境界に関する考察に挑んだ。
4.生態学者Sandra Díaz博士:
【Biodiversity guardian】
アルゼンチン・コルドバ国立大学の教授で、生物多様性の専門家145名からなる委員会の共同議長を務め100万種が絶滅の危機に瀕していると報告した。
5.微生物学者Jean-Jacques Muyembe Tamfum博士:
【Ebola fighter】
コンゴ民主共和国の微生物学者で、エボラ出血熱の発見時から40年以上にわたりその流行と戦い続けてき、今も現役でなお戦っている。
6.古生物学者Yohannes Haile-Selassie博士:
【Origin seeker】
エチオピアの古人類学者で、保存状態の極めて良好な380万年前のAustralopithecus anamensisの頭蓋の化石を発見して人類の系統樹を一新した。
7.倫理学者Wendy Rogers博士:
【Transplant ethicist】
オーストラリア・マッコーリー大学教授で、中国で行われた臓器移植の一部がドナーの同意を得ずに進められた可能性を示す証拠を明らかにした。
8.幹細胞生物学者Hongkui Deng博士:
【CRISPR translator】
北京大学幹細胞研究所の所長で、CRISPR遺伝子編集技術を用いて成人の細胞を修正する臨床試験の結果を初めて報告した。
9.物理学者John Martinis博士:
【Quantum builder】
カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授で、量子コンピューターで従来のスーパーコンピューターよりも早く計算できる「量子超越性」を実証した。
10.環境活動家Greta Thunberg氏:
【Climate catalyst】
温暖化に対する各国の取り組みの遅れが地球や次の世代の人々をいかに脅かしているかを世界に訴えた。
今年はこの10名が選ばれましたね。
幅広い分野から選ばれているのがわかります。
意外だったのが、ブラックホールの撮影に関する研究が含まれていませんでしたね。
いずれの方も素晴らしい影響を及ぼしたと思いますし、
来年どんな方が選ばれるのか、楽しみですね。