カナダ在住研究者のつぶやき

バンクーバー在住の研究者が、個人的に関心の高いエネルギー・環境問題や、趣味のトレイル・食べ歩き・酒についてつぶやく予定

カナダの大学院生活

 

海外の大学で大学院生活を過ごしたいと考えている方いますか?

意識が高くて素晴らしいですね。

 

私が大学院生の時にはそんな勇気もお金もなかったです(笑)

 

私は学生ではないものの、普段院生達と過ごしている中で

日本の大学院生活と大きく違う部分に気付いたので、

シェアしたいと思います。

 

 

 

1.日本のような入学試験がない

 

日本の大学院の場合、学部入学時と同様に、

入試試験を受けて、入学し、研究室に配属されます。

 

カナダの場合は大きく異なり、

そもそも入学試験がありません。

その代わりに、英語試験のスコアや、大学時代の成績、

エッセイに加え、研究室のボスからの推薦状が必要となる場合が

一般的だそうです。

 

研究室が出した院生向けのプロジェクトの求人を見て、

ボスに直接連絡し、面接等を踏まえたうえで、

入学するみたいです。

(伝聞ですみません)

 

そのため、日本のように毎年一斉に数人が配属されるのではなく、

バラバラに入ってきます。(たいてい9月が多いですが)

 

 

2.研究室からお金が貰える

 

こっちの院生は基本的に全員給料を貰って研究をしています。

修士課程、博士課程の学生で最低賃金も定められているため、

基本的にみんな最低限生活出来る給料をいただいて

学生生活を過ごしています。

 

特に博士課程の学生は結婚している学生も多く、

お互い学生の夫婦もいますね。

 

あとは、TA(ティーチングアシスタント)や

大学キャンパス案内などのアルバイトをちょこちょこしてますね

TAの仕事量はみんな大変そうですが。。

 

 

3.研究は自分次第

 

日本の研究室は、結構先生方の面倒見がいいと思います。

頻繁にディスカッションし、提案等もあるかと思います。

 

カナダの場合、あまり上から縛られることがない、

自由な環境な気がします。

 

ボスも頻繁に干渉してくるわけでなく、

みんなマイペースに研究している印象ですね。。

 

真面目な学生は勿論毎日朝から晩まで働いていますが、

多くの学生は4時頃になると、

ぞろぞろ帰っていきます。

(まぁ真面目な学生が優秀とは限りませんが・・・)

 

といってもUBCはみんな優秀なので、

自分で考えても分からない部分などは、

違う研究テーマの私にも積極的に質問してきてくれるし

みんな自身の研究としっかり向き合っている印象ですね。

 

あと、就職活動も基本的に学位を取ってからするので、

学位をとる前に研究をそっちのけで就活する必要なく、

しっかりと没頭できる環境というのも面白いですね。

 

 

4.修論発表めっちゃ長い

 

来て初めに驚いたのが、修士論文発表会の時間です。

日本の場合、同じ日に何人もの学生が修論発表するので、

一人当たりの時間がかなり限られています。

 

カナダの場合、というかUBCの場合、

修士の学生でも、2時間も発表(20分発表、残り質疑応答)

があります。

日本の博士課程の公聴会と同じくらいですよね。

自分の研究のみならず、過去の研究や、

関連分野の研究等、しっかり理解する必要がありますね。

 

修士で2時間もあれば、博士論文の公聴会は何時間あるの???

と思うでしょうが、

実はほとんど同じ時間ということです。

 

ただ、質問の内容が明らかに高度で、

PhD.ということで、研究者としての哲学の部分を

しっかりと理解する必要がある、とよくボスがいってますね。

 

 

 

ざっと、大学院生活の様子について感じたことをまとめました。

私が学生生活を送ったわけではないので、

あくまで一緒に過ごしている中で感じたことですが。

 

もしカナダなどの海外の大学での大学院生活を検討している方がいれば、

参考になれば幸いです。

 

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