カナダ在住研究者のつぶやき

バンクーバー在住の研究者が、個人的に関心の高いエネルギー・環境問題や、趣味のトレイル・食べ歩き・酒についてつぶやく予定

カナダ・UBCでのポスドク(博士研究員)生活

 

海外でのポスドク生活はどんな感じなのか。

今回はUBCでのポスドク生活について簡単に紹介したいと思います。

 

一応ポスドクのことを知らない人のために

ポスドク:博士号(ドクター)取得後に任期制の職に就いている研究者、博士研究員とも呼ばれます。教員になると教育や事務仕事に割く時間が増えるため、研究にどっぷり浸かることができ、研究業績を増やすことが出来ます。一方で、最近は高齢者のポスドク、いわゆる高齢ポスドク問題が頻繁にメディアで見かけられます。

 

ポスドクの人数も多いUBCにはポスドクのコミュニティがあります。

その名も、Postdoctoral fellows office(PDFO)

 

ホームページのリンクも貼っておきますね。

https://www.postdocs.ubc.ca/

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Orientation

まず初めにPDFOを知るきっかけがオリエンテーションです。

年に数回、新しく入ってきたポスドクのために、ポスドク生活に必要な情報(例えば、相談窓口や、保険、税金関係、キャリアパスや各種セミナーの案内)などを1時間以上かけて説明してくれます。

私が参加した時は、全部で30名ほど参加していたと思います。

ちなみにそこで仲良くなった友人はそれ以降もずっと仲良くさせていただいたので、ポスドク仲間を作る良いきっかけにもなります。

PDFOグッズやキャンパス内で使えるクーポンなんかも貰えました。

 

Workshop and seminar 

各種ワークショップやセミナーも定期的に開催されています。

例えば今月開催されるものでは、

Discovering the entrepreneur within:起業に向けたセミナー

Immigration Clinics for Postdoctoral Fellows:移民に関する相談室

Fostering research collaborations at the Graduate and Postgraduate levels:研究交流の促進についてのセミナー

How to Keep Your Cash - An Introduction to Canadian Taxes:税金に関する説明会

Skills of Communication:コミュニケーションスキルに関するセミナー

など、結構頻繁に開催されています。あまり参加したことはありませんが。。

 

Carrier opportunities

HP上で、UBCでポスドクになるための資格や方法に関する情報や、UBCで現在募集しているポスドク公募情報、さらに、Online career resourcesという他大学も含めたポスドク公募情報に関しても紹介されています。わかりやすく、親切ですね。

 

Awards and funding

日本における日本学術振興会の特別研究員制度のように、カナダのポスドク支援制度がいくつかあります(Banting Postdoctoral Fellowships Program、Killam Postdoctoral Fellow Research Prize、Killam Postdoctoral Research Fellowship)。その申請に関する情報もHP上で得ることが出来ます。

他にもPDFOが主催の、Travel awardもあり、国内学会で500ドル、国外で1000ドルほど旅費を出してもらえます。提出書類が少し面倒ですが、学会に参加予定でしたら申請する価値ありです。

 

Postdoc researcher day 

他にも年一回、Postdoc researcher dayというのがあり、UBC中の異分野のポスドクが一斉に集まり、口頭発表とポスター発表を行います。参加費は無料で、ビールやピザも無料だし、ちょっと顔を出すだけでもいいし、ポスドクのネットワークを広げる意味でも有意義なイベントですよ。

 

 

ざっと私が知る限りの情報を紹介しました。

日本ではポスドクの人数自体もそこまで多くなく、このようなコミュニティはないかと思います(無知なだけでもしかしたら他大学ならあるのかも知れません・・・)

特に初めに来た時、オリエンテーションで様々な説明があったのは、とても助かりました。将来カナダ、特にUBCでポスドクする、もしくはしたい方には、PDFOの存在を知ってもらいたいし、この情報が役立つと嬉しいです。

 

【世界初】カーボンポジティブなJINを開発

 

ちょっと面白いニュースを見つけました。

Scotlandの醸造所で、世界初のカーボンポジティブなジンを開発したというニュースです。

詳細は以下のリンクをチェック!

Nàdar Pea Gin Is a New Carbon Positive Ultra Eco-Friendly Tipple

 

ニュースの内容に入る前に言葉の解説:

 

ジン:大麦、ライ麦、ジャガイモなどを原料とした蒸留酒。ジュニパーベリー(Juniper berry、主にセイヨウネズの球果)の上に流すことによって香り付けがされているのが特徴的。(Wikipedia参照)原料はでんぷん源であれば、特に指定はなさそう。

 

カーボンポジティブ:環境化学の用語で、人間が何らかの一連の活動を通して温室効果ガス(特に二酸化炭素)を削減した際、排出される量より多く吸収することを指す。(Wikipedia参照)

カーボンニュートラル、という言葉は聞き馴染みがある方も多いかと思いますが、カーボンポジティブ、という言葉は初めて聞いた方も多いかと思います。

 

 

この事前情報を踏まえた上で、記事の内容を紹介します。

 

スコットランド、Angusの醸造所で、世界初となるカーボンポジティブなジンが開発された。その名もNàdar Ginで、製造過程における二酸化炭素排出量の削減に成功した(-1.54kg CO2)。つまり、飲めば飲むほど環境にいいお酒。

主原料として、小麦の代わりにエンドウ豆の一種を用いることで、合成肥料生成時に生じる二酸化炭素排出量を削減し、さらに発酵後の豆残渣は動物飼料として再利用できる。豆を用いることで、エコシステム全体として、土壌の質が向上し、他の穀物では不可欠な合成窒素肥料の利用を軽減できる。味に関しては、天然の植物(レモングラスやシトラスの葉)で香りづけており。FreshでFruityな味わい。

 

 

植物は太陽エネルギーを基に光合成し、大気中の二酸化炭素を固定して糖資源に変換してくれます。通常の醸造過程において、穀物の生産、肥料の製造・輸送、原料の発酵や蒸留、蒸留酒のパッキング、商品の輸送、と二酸化炭素を排出する場面はあらゆるところにあります。自然が生み出したエネルギーを、お酒に変換、製造、輸送する過程で出来るだけ二酸化炭素排出量を軽減することで、トータルとして二酸化炭素排出量が削減された、つまりカーボンポジティブが達成できた、という内容。

 

日本では買えないでしょうが、いつか飲んでみたいですね。

にしても、豆ってタンパク質の印象が強いけど、でんぷん源として使えるんですね。

タンパク質が多い分、窒素肥料の量も削減できるのですかね。

 

以上、Scotlandからのニュースでした。

 

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(画像は紹介したサイトから引用)

 

 

SDGsとは何か?なぜ今更流行ってるのか

 

最近何かとよく聞くワード、

Sustainable Development Goals(SDGs)、

直訳すると「持続可能な開発目標」

カナダでも結構頻繁に目にします。

 

2015年9月に国連総会で採択された目標で

17の目標、169のターゲットからなります。

 

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上記のアイコン、TVや雑誌でご覧になったことがあるかと思います。

 

それぞれの内容は、

1.貧困をなくす:あらゆる場所のあらゆる形態の貧困をなくす

2.飢餓をゼロに:飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善に実現し、持続可能な農業を促進する

3.人々に保健と福祉を:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4.質の高い教育をみんなに:すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する質の高い教育をみんなに

5.ジェンターの平等:ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う

6.安全な水とトイレを世界中に:すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに:すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8.働きがいも経済成長も:包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9.産業と技術革新の基盤をつくろう:強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10.人や国の不平等をなくそう:各国内及び各国間の不平等を是正する

11.住み続けられるまちづくりを:包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12.つくる責任つかう責任:持続可能な生産消費形態を確保する

13.気候変動に具体的な対策を:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14.海の豊かさを守ろう:持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15.陸の豊かさも守ろう:陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16.平和と公正をすべての人に:持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17.パートナーシップで目標を達成しよう:持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

 

 

要するに、持続可能な社会の実現に向けて多角的な角度から物事を捉え、

持続可能な開発を達成しよう、という内容ですね。

 

以前に国連から発表されたミレニアム開発目標(MDGs)

と内容自体にさほど大きな変化はありません。

 

実は今回、この内容をブログでとりあげようと思った理由として、

正直、SDGsという言葉を見かけるたびに、何が新しいのか、

なぜ今更になって急に持続可能な開発、というワードが取り上げられたのか

が気になったからです。

 

ちなみにSDGs入門という本を読んでみました。

入門編ということで、何もSDGsのことを知らない方、

自身のビジネスにSDGsを取り入れたい方にはいいかと思います。

 

目の前の自社の利益を優先するのではなく、

広い視野で、17の目標を考慮した持続可能な発展を目指そう。

これを聞くと、一見企業にとって耳が痛い話に聞こえますが、

実際は異なります。

これら17の目標は互いにオーバーラップしあう部分も多く、

持続可能な発展を意識したほんの少しの工夫が、

大きな目標の達成まで波及され、

いわば新たなビジネスチャンス創出の機会だと思います。

 

 

まぁSDGsの内容自体に関してはこれくらいにして。

今回の内容の本題は、

特に新しくもない「持続可能な開発」というキーワードが、

なぜ突然、あらゆる企業やメディアで使われるようになったのか。

間違いなく、一般人受けしやすいアイコンの存在だと思います。

 

このアイコンの存在が、企業やメディアも使いたくなるし、

普段環境・エネルギー問題なんかに興味のない人も

少し印象に残りやすい。

 

研究者をしていると、本当に真摯に取り組みたいのは自然科学で、

それをどう相手に伝えるか、という点を疎かにしがちな人を多くみます。

しかし、聞く手にいかに興味を持ってもらうことが重要か、

今回のSDGsの件で改めて感じましたね。

 

手段はどうあれ、

市民権を得始めているSDGs

持続可能な開発について関心を持つ人が増えるのはいいことですね。

 

 

【Vandalism】カナダで車上荒らしに遭った時の対処法

 

バンクーバーの街を歩いていると、

後部座席の窓がなく、ブルーシートやビニールカバーで

代用している車を結構な頻度で見かけます。

 

なぜ窓が割れているのか、

なぜ修理しないのか、

不思議に思ったことが何度かありました。

あの事件が起こるまでは。。。

 

 

昨年の夏頃、DowntownのGastown付近

Stadium-Chinatown駅の北側に夕食に行った時のこと。

 

普段からカーシェアリングのEvoを利用しているのですが、

(Evoについてはまた後日記事にします)

Evoの契約駐車場が近くのEasyParkにあり、

駐車しました。

 

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冷静になってみるとかなり危ない場所ですね。

夜になると不審者もうろうろしています。

 

その日は日本から親戚の子供が遊びに来ていて(しかも初海外)

StevestonやLangleyなど郊外を半日観光し、

レストランに着いたのも夜9時を過ぎた頃。

みんな結構疲れていました。

 

レストラン近くにEvoの契約駐車場を見つけて

安心しきっていました。

 

車内には、

昼に食べたピザの残り、

日中に親戚が購入したお土産品、

さらに、普段持ち歩きしないPCを入れたカバン。。

(こんな日に限って!!)

 

 

車内に残した荷物のことなどすっかり忘れて、

ゆっくり二時間ほどかけてベルギー料理を堪能。

 

そして満腹になって駐車場に戻ってみると、、、

 

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何かがおかしい???

窓がない??あれ??

荷物こんなに少なかったっけ?

 

いや、窓割られてるやん!!!!

ここで事の重大さに気付く。。

 

 

ここからが本題ですね。

まずは、Evoと警察に電話する。

 

 

【Evoへの連絡】

ハンドルの左側に付いているEvo Help Bottumを押すと

Call centerに電話が繋がります。

車内でハンズフリーで電話する感じですね。

 

・場所(Downtownの〇〇)

・詳細な状況(9時に駐車して11時に帰ると窓が割られていた)

などを伝えると、

今いる駐車場に設置されている監視カメラの場所を聞かれ、

(今回はカメラの場所からは絶妙に見えない場所だったが、もしかしたらカメラを確認してくれるのかも)

警察に電話して、その場から離れることを指示されました。

 

レッカー車がそのうち行くよ、って感じで。

特に驚かれる様子もなく、よくあることなのかな?と感じました。

 

 

【警察への連絡】

次が警察への連絡です。

パニックになっているので、

まずは911に連絡しました。

(あとで気付いたのですが、911は本当の緊急時の番号で、本件のような場合は各地域ごとにあるNon Emergency Numberに電話する必要があります。後述しますが、結局そちらに電話するように指示されました。)

 

なかなか繋がらず、

やっと繋がったと思ったら、結構無愛想な感じ。

そんな事件でこの番号に電話しないで、って感じを微かに漂わせながら。

 

そこで教えてもらった電話番号に連絡。

Vancouverの場合は、604-717-3321

 

そこでオペレーターに事件の詳細を報告。

いつどこで、何が起こったのか。

その時に、盗まれたものを報告。

結構具体的に聞かれます。

PCの場合は、種類や大きさ、特徴。盗まれた人の名前、性別。

オペレーターの方が盗難被害届けに情報を入力してくれているみたいです。

 

一通り説明が終わると、控えとなる番号を教えてくれます。

(4桁ー6桁の英数字)

 

ここまで電話で全てやりましたが、実際に警察署に行って

説明する方が確実で安心ですね。。

私の場合、報告した情報のうち、

親戚の子の性別が何故か女性で登録されていたため、

次の日警察署で被害届を出す時に少し手間取りました。

 

警察署の場所は、オリンピックビレッジ駅の近く

goo.gl

 

ちなみにこれも電話で報告した弊害ですが、

たまたま電話に出た警察署がVancouver市でも端の、

ほぼBurnaby市に近い場所だったので、

被害届を出してもらうためにわざわざ行きました。

goo.gl

 

 

取り敢えず、警察もEvoもそのまま帰っていいよ、

とのことだったので、そのままその場を離れることに。

 

親戚の子は翌々日に帰国予定なのに

パスポートを盗まれてしまい、

翌日はパスポート再発行の旅に。

これはまた後日まとめます。

 

 

Evoは保険料金も含まれているので、

結果的に破損の修理料金等は特に請求されませんでした。

自分の車だったと思うとゾッとしますね。

 

修理せずにビニールの応急処置で済ませる人の気持ちが

ようやく分かった出来事でした。

 

 

皆さんもVancouverで駐車する時は、

車上荒らしを十分に警戒することが必要です。

例えば、荷物はトランクにいれる

というか、そもそも荷物を車の中に置いておかない。

 

同僚に車上荒らしにあったと報告すると

意外と結構多くの人が経験済み。

ちなみに英語でVandalism、今回の事件で完全に覚えました(笑)

 

安心だと思っていたVancouverでも

やはり外国。皆さんも本当に用心してくださいね。

 

 

色んな学術・芸術分野の○○のノーベル賞を調べてみた

 

お久しぶりです。

少し忙しくなると更新をサボってしまいますね。

 

最近ふと気になったことがあって、

昨年吉野彰先生が受賞して話題になったノーベル賞。

このノーベル賞は、物理学・化学・医学生理学・文学・平和

(+経済)の学術・芸術分野で顕著な功績を残した人物に贈られます。

 

しかし、それ以外の様々な学術・芸術分野で、各分野を代表する賞があり、

よく○○分野のノーベル賞と称されますね。

 

そこで、いろんな分野における○○のノーベル賞

を調べてみました!

(日本人が取った過去があるかも含めて)

 

主な出典は英語版のWikiです。

 

 

 

Agriculture(農学)

Wolf Prize in Agriculture:発明家リカルド・ウルフによって設立されたウルフ財団が1978年に設立した賞。農学分野以外にも、芸術・化学・数学・医学・物理学部門がある。農学分野に関しては、大部分がアメリカ人が受賞しており、日本人の受賞者は未だに居ない。

World Food Prize:農学分野の中でも食糧問題に関しては、World Food Prize Foundationが1987年に設立したこの賞が有名。本賞も日本人受賞者はいない。

 

Animal conservation(動物保護)

Indianapolis Prize:Indianapolis Zooによって2006年に設立された賞で、動物保護に関する多大な貢献をした人物が二年に一度表彰される。毎回5名が最終候補者に残るが、日本人候補者はいない。

 

Anthropology(人類学)

Huxley Memorial Medal:The Royal Anthropological Institute of Great Britain and Irelandというイギリスの団体から、1900年より毎年一名が選定される。日本人受賞者は未だに居ないようです。

 

Architecture(建築)

Pritzker Architecture Prize:いわゆるプリツカー賞で、日本でも結構認知度があるかと思います。1979年より始まった賞で、日本人受賞者も多数います。丹下健三氏(1987年)、槇文彦氏(1993年)、安藤忠雄氏(1995年)、妹島和世氏、西沢立衛氏(2010年)、伊東豊雄氏(2013年)、坂茂氏(2014年)、磯崎新氏(2019年)と数年に一度は選ばれていますね。

 

Arts(芸術)

Praemium Imperiale:日本名は高松宮殿下記念世界文化賞で、日本美術協会から授与される1987年に始まった賞。「絵画」、「彫刻」、「建築」、「音楽」、「演劇・映像」の5部門で毎年表彰されます。日本人はかなり受賞者が多く、最近だと、2018年に彫刻部門で中谷芙二子氏が、2019年に演劇・映像部門で坂東玉三郎氏が受賞されています。

 

Astronomy(天文学)

Kavli Prize:Norwegian Academy of Science and Letters、the Norwegian Ministry of Education and Research、そして The Kavli Foundationから授与される賞で、2008年から二年に一度表彰される。「宇宙物理学」 、「ナノサイエンス」、「神経科学」の三部門があり、日本人では2008年に飯島澄男氏がナノサイエンス部門で受賞されています。

 

Biology(生物学)

Crafoord Prize:ノーベル賞と同じく、スウェーデン王立科学アカデミーから授与される賞で1980年に設立。「天文学」、「数学」、「地球科学」、「生物科学」+「関節炎に関する研究」のうち1部門から毎年受賞者が決められる。日本人では、岸本忠三氏、平野俊夫氏(2009年・関節炎)、太田朋子氏(2015年・生物科学)、坂口志文氏(2017年・関節炎)、真鍋淑郎氏(2018年・地球科学)が受賞しています。

 

Cognitive science(認知科学)

Rumelhart Prize:Robert J. Glushko and Pamela Samuelson Foundationから授与される賞で、2001年に設立。日本人受賞者はまだいません。

 

Computer science(コンピューターサイエンス)

Turing Award:Association for Computing Machineryから1966年より毎年、コンピューターサイエンス分野で優れた業績を残した人を表彰。賞金100万ドルと、ノーベル賞と同じ大金ですね。日本人はまだ受賞していません。

 

Criminology(犯罪学)

Stockholm Prize in Criminology:スウェーデンの法務省のもと設立された賞で、2006年より毎年表彰。多くがアメリカ人で、日本人受賞者はいません。

 

Economics(経済学)

Nobel Memorial Prize in Economic Sciences:いわゆるノーベル経済学賞と呼ばれる。スウェーデン王立科学アカデミーから授与されるものの、ノーベル財団はノーベル賞ではないと主張しているそう。1969年より授与が始まっていますが、日本人受賞者は未だにいません。

 

Education(教育学)

WISE prize:World Innovation Summit for Education (WISE)の略で、2009年に設立され、毎年6つのProjectが表彰される。日本関連のプロジェクトは未受賞。

 

Energy (エネルギー学)

ENI award:イタリアの半国有石油・ガス会社であるENI社が表彰する賞で、2008年より毎年数名が選出。日本人はまだ受賞なし。

 

Engineering(工学)

Queen Elizabeth Prize for Engineering:エリザベス女王工学賞で、2013年より隔年で画期的な技術革新を担ったエンジニアを表彰する、比較的新しい賞。第3回の2017には兵庫県立大学および静岡大学の特任教授の寺西信一氏が、デジタルカメラの撮像デバイスの主流となっている埋込フォトダイオードを発明したことで、受賞している。

 

Environmental science(環境科学)

Blue Planet Prize:旭硝子財団により1992年に創設された地球環境国際賞。地球環境問題の解決に大きく貢献した個人や組織に対して贈られる。日本人では、第一回の1992年に真鍋淑郎氏、2006年に宮脇昭氏、2009年に宇沢弘文氏、2013年に松野太郎氏が受賞している。

 

Finance(財政・財務)

International Association for Quantitative Finance:Financial engineeringの分野の発展に寄与した研究者を1993年より毎年一人称える賞。日本人の受賞者はまだいない。

 

Forestry(森林)

Marcus Wallenberg Prize:森林科学及び森林産業に対して顕著な業績を挙げた研究者を表彰する「森のノーベル賞」。1980年より表彰されており、日本人は2015年に磯貝明氏、齋藤継之氏、西山義春氏が受賞。

 

Geography(地理学)

Vautrin Lud Prize:1991年に設立された、地理学の最高の賞。日本人の受賞者はいません。 

 

Geology(地質学)

Vetlesen Prize:コロンビア大学のLamont-Doherty Earth Observatory 及び the G. Unger Vetlesen Foundationから表彰される地質学で最も名誉ある賞。大体二年に一度表彰があり、日本人受賞者はまだいない。 

 

Human rights(人権)

Martin Ennals Award for Human Rights Defenders:1993年に設立された賞で、1994年より毎年一人が選出。発展途上国の方が選出される場合が多数ですね。日本人受賞者はいません。

 

Hydrology(水文学)

International Hydrology Prize:1981年より毎年一人選出されており、日本人では1993年に菅原正巳氏、2012年に竹内 邦良氏が受賞。

 

Mathematics(数学)

Fields Medal:いわゆるフィールズ賞。「4年に一度」「40歳以下」「2名以上4名以下」という制限があり、若手研究者を奨励する目的。日本人では、小平邦彦氏(1954年)、広中平祐氏(1970年)、森重文氏(1990年)が受賞。

Abel Prize:若手研究者を対象としているフィールズ賞に対し、アーベル賞は年齢制限もなく、賞金もノーベル賞と同等。2003年より始まったが、日本人受賞者はまだいない。

 

Meteorology(気象学)

International Meteorological Organization Prize:気象学の分野の発展に寄与した人物をWorld Meteorological Organizationが1971年より毎年表彰。日本人受賞者はまだいない。

 

Nanoscience(ナノ科学)

Kavli Prize:上述の天文学と同じ賞。2008年に飯島澄男氏が受賞。 

 

Neuroscience(神経科学)

Brain Prize:Lundbeck Foundationによって2011年に設立された賞で、日本人受賞者はいまだにない。神経科学分野の最高の賞。

 

Oceanography(海洋学)

A.G. Huntsman Award for Excellence in the Marine Sciences:カナダ王立協会より毎年表彰される。1980年より毎年1名選出されるが、日本人の受賞者はいない。

 

Pharmaceutical research(医薬品研究)

Prix Galien Award:製薬分野の研究開発を促す目的で1969年に創設、日本人では1998年に杉本八郎氏が受賞。

 

Photography(写真)

Hasselblad Award:優れた写真家を毎年一名表彰する。日本人では、1987年に濱谷浩氏、2001年に杉本博司氏が、2014年に石内都氏が受賞。

 

Religion(宗教)

Templeton Prize:宗教間の対話・交流に貢献のあった存命の宗教者・思想家・運動家等に贈られる1973年に創設された賞。日本人では1979年に庭野日敬氏が受賞。

 

Robotics(ロボット工学)

Joseph F. Engelberger Robotics Award:ロボット産業の技術発展、応用、教育、リーダーシップの各部門で活躍した個人に贈られる賞。日本人受賞者も多数で、長谷川幸男氏(1977年、技術)、安藤恒男氏(1981年、教育)、牧野洋氏(1985年、技術)、稲葉 清右衛門氏(1987年、技術)、米本完二氏(1989年、教育)、加藤一郎氏(1989年、技術)、梅谷陽二氏(1991年、技術)、菊池功氏(1995年、リーダーシップ)、井上博允氏(1999年、技術)、谷江和雄氏(2001年、技術)、江尻正員(2005年、技術)、広瀬茂男氏(2009年、技術)が受賞している。

 

Social sciences/sociology(社会科学)

Holberg Prize:2004年に第一回が開催され、ノルウェー政府から授与される。社会科学分野で最も名誉ある賞。日本人の受賞者はいない。

 

Soil science(土壌科学)

Dokuchaev Award:2006年より4年に一度1名が表彰される。これまで4名が受賞したが、日本人受賞者はいない。

 

Technology(技術)

Millennium Technology Prize:2004年より二年に一度、生活を変える技術革新を起こした人物に対し、フィンランド技術賞財団から贈られる賞。日本人では、2006年に中村修二氏、2012年に山中伸弥氏が受賞。

 

 

 

以上、〇〇のノーベル賞を調べてみた、でした。

調べだすと意外とかなり多く、

意外な分野で日本人受賞者がいるのが面白いですね。

 

今回は簡単な紹介だけでしたが、

受賞した研究内容について、興味ある方は調べてみてください。

 

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2019年のバイオ燃料に関するニュースまとめ!Top 19 of 2019 BiofuelsDigest

 

常に新しいニュースを知っておきたいので、

いくつかのウェブサイトに登録し、メールマガジンを受け取っています。

バイオ燃料関連については、BiofuelsDigestがオススメです。

 

無料で登録でき、毎日世界中の最新のニュースが送られて来ます。

そんなBiofuelsDigestの2019年のTop 19ニュースがまとめられていたので、

シェアしたいと思います。

 

19件もあるので、一つ一つは簡潔にまとめますので、

詳細は各記事をご覧ください。

 

 

1.$73 Million, 35 Projects, who won, for what and why: The DOE Bioenergy Technologies Office 2019 Project Selections

アメリカ・エネルギー省は一年で、バイオ燃料に関わるプロジェクト35件、計7300万ドルの助成金を交付した。これらの助成金が、ドロップインバイオ燃料およびバイオ発電の価格低下、バイオマスや廃棄物からの高付加価値物質の生成を可能にした。

 

2.The 50 Hottest Companies in the Advanced Bioeconomy 2019

バイオエコノミー分野の重要な企業50が選出。毎年選出されているので、今年も楽しみですね。ちなみに日本の企業は残念なことに一件も選ばれていません。

 

3.Biofuels Mandates Around the World 2019

年始に世界65カ国におけるバイオ燃料の任務・ターゲットの批評を出しており、毎年人気の記事。今年も記事が出たら、日本語でまとめたいと思います。

 

4.The Advanced Bioeconomy: State of the Industry 2019?

ワシントンで開催された国際会議ABLC 2019で発表された、バイオエコノミーの総説に関するスライド。輸送の脱炭素化について、バイオエコノミーの観点からのみで議論することに取り組んだ。

 

5.Advanced Biofuels – Where are the Gallons?

先端バイオ燃料とは何か、なぜ必要なのかについて解説。世界中の30以上のプロジェクトを紹介し、エタノールのブレンド比や残渣の容量などについて解説。

 

6.Decision 2020 Bioeconomy – 25 declared presidential candidates and how they stand on the bioeconomy

バイオエコノミーは2019年の重要な話題であったが、2020年のアメリカ大統領選でどのように取り上げられているのか。候補者達のバイオエコノミーに対する立場、発言、強み、信頼性などについてまとめている。

 

7.The NEXT 50 Companies to Disrupt the World

バイオエコノミーに取り組んでいる企業50社を紹介。特に、燃料、化学物質、食料、穀物生産、動物飼料、合成微生物など。13社が化学・マテリアル系、9社が穀物生産、保護、8社が食料や飼料、7社が合成微生物、2社がエンジン関連の企業。日本の会社は選ばれていません。

 

8.The Advanced Bioeconomy: New Fortunes 2019

バイオエコノミーについて、近い将来期待されている24のマーケットを紹介。

 

9.The Top 25 Trends in the Bioeconomy

アメリカ及び世界のバイオエコノミーのトレンドについて、11月のABLC Weekで紹介されたスライド。テクノロジーやマーケットなどについて紹介されている。

 

10.Don’t Mess with my Toot Toot: The Zydeco of Xyleco

私は存じないのですが、35年前の曲"Don't mess with my toot toot"という曲をもじったタイトルで、マサチューセッツの化学会社Xylecoの取り組みについて紹介。

 

11.Top 10 Bioeconomy Markets and Predictions for 2019

年始に発表された、2019年のバイオエコノミーのマーケット予測に関する記事。私もそうですが、みなさん予測記事は好きみたいですね。

 

12.Marine biodegradable plastics offer hope for oceans and waterways

2019年夏にフロリダ沖で赤潮警報が発令され、海洋汚染が注目されましたが、世界中の海で問題となっています。数百万もの魚達が死んでいる様子を思い描くことは出来ないが、最新技術を用いて現状の課題を解決できるよう取り組む必要がある。こちらは2018年の記事ですが、今年もかなり読まれたようです。最近はマイクロプラスチック問題も注目されていますし、今後も話題となりそうです。

 

13.The Values Chain: An inquiry into how we create and capture value when we innovate

ベンチャー企業の資本家や、技術の先駆者から、健康、栄養、農業、バイオテクノロジー、イノベーションの未来についてよく尋ねられる著者(Jim Lane氏)が、イノベーションにどのように価値を高めるか(Values-chain)についてまとめた内容。わかりやすくて見やすい内容になっています。

 

14.The Digest’s Top 10 Celluosic Project flashpoints, 10 Quick Takes

植物細胞壁の約半分は多糖類であるセルロースから構成されており、セルロース由来の糖は世界で最も豊富な資源である。たいていの地理条件で、木質系バイオマスが最も効率良い糖資源である。そこで、セルロースを原料とした10のプロジェクトについて紹介している。

 

15.The Compelling Case for Biojet Fuel

Lee Enterprises Consulting社のJess Hewitt氏とJonathan Lewis氏が、バイオジェット燃料について紹介した内容。バイオジェット燃料のテスト飛行などのニュースが頻繁に登場するが、多くの航空会社ではまだ実用化されていない。それは何故か。バイオジェット燃料のマーケットの現状を報告した内容。

 

16.Brazil’s GranBio Acquires USA’s American Process

ブラジルのGranBio社がアメリカのAmerican Process社を買収した記事。同社の知的財産や物的資産を得ることで、GranBio社のバイオマスから再生可能燃料、化学物質、ナノセルロースへの変換技術が飛躍的に向上するとみられる。

 

17.Catalysts and Enzymes in Biofuel Production

Lee Enterprises Consulting, Inc.社のElizabeth E. Hood博士とLorenz Bauer博士が、バイオ燃料生産に向けた触媒や酵素について解説している記事。具体的には、バイオディーゼルやセルロース系エタノール、酵素のコスト、多機能触媒などを解説。 

 

18.U.S. Army gets super strong spider silk bulletproof panels

アメリカの軍隊で使用されている防弾パネルに関する興味深い記事。Kraig Biocraft Laboratories社で作られたスパイダーシルク由来のパネルは、鉄より強く、従来の防弾パネルより強いとのこと。スパイダーマンの映画のように、Kraig社は遺伝子工学を用い、クモの遺伝子を導入した蚕に、強力なシルクを作らせることに成功した。

 

19.The DOE’s 12 Top Biobased Molecules – what became of them?

 2015年の古い記事だが、いまだに人気の記事。Cargill社がOPX Bio社の発酵ベースの技術を買収したニュースから、今話題のバイオベース分子について紹介。4炭素の2酸化合物、2,5-フランジカルボン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、グルカル酸、グリセロール、アスパラギン酸、イタコン酸、3-ヒドロキシブチロアセトン、ソルビトール、キシリトール・アラビニトール、グルタミン酸、レブリン酸が挙げられている。

 

 

意外とバイオエコノミー関連やトレンド推測の記事が人気ですね。

単純にアクセス数でランキングされているようで、

中にはそこまで面白くない記事もありましたが、

勉強にはなりました。

エコノミー以外にも、セルロース系エタノールやバイオ燃料、

バイオジェット燃料などの最新動向についても学ぶことができるので、

ぜひ興味ある記事をご覧ください。

 

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【気分爽快】バンクーバーに来たらトレイルに行こう!〜その4〜 Pacific Spirit Regional Park

 

今回もこちらのトレイルを紹介したいと思います!

UBCのキャンパスを囲うように沢山のトレイルがあります。

 

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西側の海に面するレックビーチ、東側のバラード湾に面するスパニッシュビーチ、

東側の南側にあるスピリットリージョナルパークの3つのトレイルがあります。

 

ビーチ沿いのトレイルは、人もあまりおらず、

日本の海岸のような潮の香りもなく、ベタつくこともないので、オススメです!

 

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スパニッシュビーチの様子です。気持ちいいですね。

 

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ヌーディストビーチとしても有名なレックビーチ、素敵な景色ですね。

 

が、個人的にはPacific Spirit Regional Parkの整備された森林が一番好きですね。

東から西まで大体2キロくらいで、周りを一周すると大体1時間弱で回れます。

歩くと2時間以上かかりますが。。

 

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トレイル内は綺麗に整備されており、

マップや案内板も所々設置されており、迷うこともないかと思います

 

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わかりやすい案内板、かなり頻繁に設置されています

 

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歩道もしっかり整備されているので、走りやすく、

高い木々の間を走り抜けるのは本当に気持ちいいですよ。

木自体も危ない枝などは結構整備されているかと思います。

 

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ただし、雨の次の日は木がよく倒れています。

大体次の日には回収されているのですが、

多い日には3本ほど倒れていることもあります。

 

ベビーカーを押しているファミリーや、

サイクリストは通過するのが大変そうですね。。

 

 

Downtownからは遠いので、なかなかこれないかと思いますが、

トイレなど、しっかり整備されていますし、

高度差もほとんどないので、是非一度走ってみてはいかがですか。