カナダ在住研究者のつぶやき

バンクーバー在住の研究者が、個人的に関心の高いエネルギー・環境問題や、趣味のトレイル・食べ歩き・酒についてつぶやく予定

SDGsとは何か?なぜ今更流行ってるのか

 

最近何かとよく聞くワード、

Sustainable Development Goals(SDGs)、

直訳すると「持続可能な開発目標」

カナダでも結構頻繁に目にします。

 

2015年9月に国連総会で採択された目標で

17の目標、169のターゲットからなります。

 

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上記のアイコン、TVや雑誌でご覧になったことがあるかと思います。

 

それぞれの内容は、

1.貧困をなくす:あらゆる場所のあらゆる形態の貧困をなくす

2.飢餓をゼロに:飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善に実現し、持続可能な農業を促進する

3.人々に保健と福祉を:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4.質の高い教育をみんなに:すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する質の高い教育をみんなに

5.ジェンターの平等:ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う

6.安全な水とトイレを世界中に:すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに:すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8.働きがいも経済成長も:包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9.産業と技術革新の基盤をつくろう:強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10.人や国の不平等をなくそう:各国内及び各国間の不平等を是正する

11.住み続けられるまちづくりを:包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12.つくる責任つかう責任:持続可能な生産消費形態を確保する

13.気候変動に具体的な対策を:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14.海の豊かさを守ろう:持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15.陸の豊かさも守ろう:陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16.平和と公正をすべての人に:持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17.パートナーシップで目標を達成しよう:持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

 

 

要するに、持続可能な社会の実現に向けて多角的な角度から物事を捉え、

持続可能な開発を達成しよう、という内容ですね。

 

以前に国連から発表されたミレニアム開発目標(MDGs)

と内容自体にさほど大きな変化はありません。

 

実は今回、この内容をブログでとりあげようと思った理由として、

正直、SDGsという言葉を見かけるたびに、何が新しいのか、

なぜ今更になって急に持続可能な開発、というワードが取り上げられたのか

が気になったからです。

 

ちなみにSDGs入門という本を読んでみました。

入門編ということで、何もSDGsのことを知らない方、

自身のビジネスにSDGsを取り入れたい方にはいいかと思います。

 

目の前の自社の利益を優先するのではなく、

広い視野で、17の目標を考慮した持続可能な発展を目指そう。

これを聞くと、一見企業にとって耳が痛い話に聞こえますが、

実際は異なります。

これら17の目標は互いにオーバーラップしあう部分も多く、

持続可能な発展を意識したほんの少しの工夫が、

大きな目標の達成まで波及され、

いわば新たなビジネスチャンス創出の機会だと思います。

 

 

まぁSDGsの内容自体に関してはこれくらいにして。

今回の内容の本題は、

特に新しくもない「持続可能な開発」というキーワードが、

なぜ突然、あらゆる企業やメディアで使われるようになったのか。

間違いなく、一般人受けしやすいアイコンの存在だと思います。

 

このアイコンの存在が、企業やメディアも使いたくなるし、

普段環境・エネルギー問題なんかに興味のない人も

少し印象に残りやすい。

 

研究者をしていると、本当に真摯に取り組みたいのは自然科学で、

それをどう相手に伝えるか、という点を疎かにしがちな人を多くみます。

しかし、聞く手にいかに興味を持ってもらうことが重要か、

今回のSDGsの件で改めて感じましたね。

 

手段はどうあれ、

市民権を得始めているSDGs

持続可能な開発について関心を持つ人が増えるのはいいことですね。